アメリカンライフ 真偽その1:太っている人が多い?
「アメリカンライフ」と題したこのコラムでは、10年近くをアメリカ西海岸で過ごした筆者が自分の体験を元に、日本人が抱くアメリカの印象の真偽を追って、アメリカ文化、アメリカ人、アメリカという国を語ります。
二十歳で単身渡米をし、3年前に日本へ帰国しました。
帰国してからは、友達や知り合いなどに、本当のところはどうなの?ということを聞かれます。
「銃ってそこらへんにあるの?」
「誰でもキスとかハグするの?」
「ハンバーガーばっかり食べてるの?」
海外旅行でハワイなど行くのは当たり前になった昨今でも、アメリカ人の常識や、日常は旅行者には見えにくい部分がありますよね。
アメリカで実際に生活してから、私も見えてくることがたくさんありました。
印象どおりだったり、だいぶ違っていたり。
毎回一つずつ、よく聞かれる疑問を取り上げていきたいと思います。
今回は、アメリカには「太っている人が多い?」のかどうか。
体が大きい
歴史的に色んな人種や民族の人が寄り集まってできている国ですから、日本人が国の9割を占める日本のように「これ」といったスタンダードがありません。
なので、アメリカでは大まかにデータが取りにくい部分もありますが、日本と比べて、出会う人すれ違う人、皆基本的にたくましいという印象です。
平均身長で言えば、アメリカ人の白人、黒人男性は178センチ。(他民族、たとえばメキシコ系などは小さめです)
日本人男性は170センチなので、だいぶ違いがあります。
その上、アメリカの男性は肉付きもいいですが、筋肉のノリがやはり違います。
私がいつも驚くのは、10代の男の子です。
日本の10代の子たちなんか、ひ弱でまだまだ子供といった体つきですが、アメリカのティーネイジャーはひとりの男というかんじ。どうやって鍛えたらそんなにむきむきになれるの?と言うような筋肉のつき方です。
女の人も背が高い人はすごく高い。
だからなのか、中には日本人くらいの華奢な人もいますが、家具や公共の施設など、いろいろな物が大きくて、背が高く作られている気がします。
基本的に、アメリカ人は日本人とは体のつくり、大きさが違います。
食べ物は全て甘い
アメリカに行って、まず最初にびっくりしたのは食べ物の甘さでした。
チョコレートやケーキを食べると、甘い!日本で言う「すごく甘い」が、アメリカでの「普通に甘い」のレベルです。そして、甘くないはずのものでも、甘い味がするのが不思議でした。
例えば、豆乳。プレーンを買っても、甘い味。ラベルを見ると、砂糖が入っています。無糖などというのはアメリカにないのでしょうか。
日本からアメリカに遊びにきてくれていた友達が、「アメリカは何を食べても甘いね」と言っていたのが印象的です。
甘い味が好きな国民性からなのか、全てが甘い。やはり、これでは体重は自然と増えてはくるでしょうね。
食べ物は全て多い
食べ物の甘さと同じくらい驚いたのが、その量。
レストランなどで注文すると、ドン!ととんでもない量の食べ物が運ばれてきます。日本での量に慣れていると、驚くと思います。しかも、日本のレストランなどでは、定食を頼むと色々なものがたくさんちょこまか出てきたり、一品料理を頼んでも漬け物やみそ汁が一緒についてきたりしますが、アメリカは一品勝負!と言わんばかりに、頼んだものだけが大量に出てくるので注意です。
そして最初はそれに驚いても段々と大量の食べ物に慣れてきて、アメリカの一人前(日本のおそらく2?3人前)をぺろっと食べてしまうくらい、アメリカ文化にとけ込んでしまう日が来るのです。あともうちょっとだし、食べておこう。とか思ってしまうのが、慣れの怖いところです。
そうすると、やはり体重は増量するでしょうね。これもまた、自然と太ってしまう要因です。
また、日本人だとこういうのがアメリカ的に思いますが、アメリカで生まれ育ったアメリカ人だと、それが普通なので、太ってしまう要因になるでしょうね。
やはり太る傾向
元々体が大きく、味付けは甘く。そして量は多い。この上車社会なのは言うまでもありませんから、太ってしまう要因はありまくりです。
現に、日本からアメリカへ来た日本人は、必ずみんな、少なくとも数キロは増量していました。ちなみに筆者は留学中はおそらく10キロは増えました。その後、恐ろしいことにあと5キロは増えました。10年で15キロは増量した計算です。
おもしろいのが、自分の含め、皆日本に戻って日本食中心の普通の食生活に戻すと、するすると体重も戻ってしまうこと。
アメリカ人は、もちろんそういうこともないですから、アメリカ人は皆太っている、とはいわなくとも、太りやすい傾向にある、とは言えそうです。
画像提供:写真ACより
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