さすらいの店長

白菜畑のラプソディー2

白菜農家の日常 白菜畑に通い始めて1週間、いつもの様に朝8時10分前に車庫の片隅で身支度を整えてスタンバイ。 どんなに寒くてもここで準備、家の中には入れてもらえません。 少しすると遠くの方から異国の言葉が聞こえてきます。必要以上に大きな声で、朝から何をテーマに語り合うのか4人の中国人研修生。 「おはようございまーす。」私と彼らとの間でなされる意思の疎通は、今のところこれだけです。 “白菜畑用局地戦闘車”とでも名付けたくなる専用車に段ボールを積み込むのが、毎朝のウォーミングアップです。2t車をベースに6人掛けシート、荷台のほとんどを占有するのが現場で威力を発揮する“リアルタイム・段ボール組み立て機”です。 その仕事ぶりはいずれ紹介するとして、この大きな機械と荷台とのすき間に、組み立て前の板状段ボールをぎゅうぎゅう押し込んで、いざ白菜畑に出動です。 ここで私に重要な任務が与えられました。戦闘車のドライバーです。国際免許を持たない中国人研修生は、当然日本の公道でハンドルを握ってはいけません。 今までは農場主のHさんと奥さんが、自宅と畑を往復しながら必要な車両を運んでいましたが、日本国中どこでも運転できる人間が入ってきたのは、その一点だけでもかなり付加価値が高いこと。 任務はお抱え運転手 この戦闘車は設計時に段ボール組み立てマシンを積載する事など、これっぽっちも考慮されていません。 組み立てマシンは非常に背が高い装置です。「スピード出したままカーブに入るとひっくり返るから、注意してね。」 トラックで走り回った経験など持たない人間に、そのひと言は重い。 むさ苦しい男たちがシートに5人、ここから畑まで車の中は日本国ではありません。世界一の人口を誇るあの国、現在我が国を抜いて世界第2位の経済大国にのし上がったあの国、中華人民共和国です。 悔しい事に彼らが楽しそうに話している内容について、私は100%理解できません。仕事場までひと言も口をきかず、忠実に送り届ける運転手が私です。 白菜畑のルール 朝の白菜畑、冷え込みは忍耐力の限界を遥かに超えています。凍えそうな手足を暖めようにも、火気や熱源は一切ありません。年齢的にも体内からどんどん熱を作って、手足の末端まで送り出す能力はかなり衰えています。日なたならまだしも、畑全体が巨木の影に入ってたりすると、白菜はガチガチに凍ってるし、足元からは凍結しそうな冷気が這い上がって来ます。 どうしたらいいのか... 耐えるしかない... それが答えです。職場環境を自分に合わせる事は不可能、だったら自分を環境に合わせて働くしかないのです、ひたすらに。 白菜の収穫は1人が3列分を担当します。股の下に1列、すると両足の外側に1列ずつで合計3列。並んで同時にスタートするのは4人、だから収穫は12列を1単位にして進行します。人数が増えても5人、6人が横一線になって収穫する事はありません。 あくまでも12列が基本、それが“白菜畑のルールその1”です。 無限の時間と無限の空間と 真冬の白菜は外側の表皮で全体を包み込む様に、1つずつ上部をひもで縛ってあります。寒さで内部が凍結するのを防ぐためです。このひもを抜くのも私の役目、12列分をずっと先の方まで抜いて歩く内に、体の奥から熱が湧きあがってきて汗ばむほどです。 ひも抜きはたいがいにして、私も白菜切りに参入します。12列が基本だから、研修生の横に並んではいけません。ではどこから始めればいいのか。 1人の研修生の前方10m程度の位置からスタートすればいいのです。 人数が増えても全体で12列を保ったまま、平面的に視野を働かせて進めるのです。股下に1列白菜を見下ろして、無心で白菜を切り始めたら、後は1個のマシンと化してひたすら白菜を切ります。 列ごとにステップを踏んではいけません。股下に1列、足元左右に1列ずつを保った状態で、上半身だけひねりながら3列を切るのです。 それが“白菜畑のルールその2”。 思考の一切を白紙状態に開放し、四肢を完全に制御しながら白菜を切り続けていると、時間って何だろうと、悟りに近い境地をさまよう時があります。 白菜畑の中で、自己の存在を見失いつつある私を正気に戻してくれたのは、関東平野の茫洋たる広さでした。 右手に包丁を握りしめて見渡す先には、我々人間には無限にも思える眺め。 白菜畑で呆然と立ち尽くす男一人、足元に目をやると、そこにも無限に思える数の白菜が並んでいました。   ①八ヶ岳自然アルバム blogs.yahoo.co.jp ②ダンプトラックの基礎知識 www.truck123.co.jp ③らでぃっしゅぼーやウシオダのブログ blog.radishbo-ya.co.jp ④風土記の丘直売所 fudoki-nakamichi.sblo.jp

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刑法上の違法とは何か(2)-結果無価値論とその統合

結果無価値論は法益侵害性を重視 前回の記事では刑法上の違法という概念について行為無価値論という考え方をご紹介しました。行為の持つ社会的意味を考えて、社会通念上(倫理上)許されない行為に限って違法と考えるという考え方です。 しかし、このように考える違法論には批判があります。つまり、何が社会通念上許されない行為であるかという判断がケースバイケースになってしまうということです。 社会倫理というのは非常にあいまいです。そこで、刑罰という重い制裁を加える犯罪論に社会通念というものを入れるのは好ましくないと考えます。そこで、別の視点から考える違法論があります。 刑法の条文を見ますと、次のように考えることができます。なぜ殺人罪という行為が犯罪となるのかといえば、生命という大切な利益を奪っているからであると考えます。 また、逮捕罪が犯罪となるのは自由な身体活動を奪っているためです。このように刑法は非常に大切な個々人の利益を守っているものであると考えます。刑法が守っている利益を「法益」と呼びます。 結果無価値論はこの「法益」を侵害している行為を違法であると考えます。このように考えることで社会通念という曖昧な考え方を排除して明確に犯罪行為か否かを考えることが出来るという理論体系をとります。 純粋な結果無価値論からの帰結と見解の統合 行為無価値論と結果無価値論との対立として挙げられる仮想事例として偶然防衛という事例が挙げられます。これは、Aという人物が殺意を持ってBをピストルで撃ち殺したところ、Bという人物もAを同時のタイミングで殺そうとしていたという事例です。 この事例で行為無価値論の場合には、AはBが自分を殺そうとしていることを知らないで殺人を犯した以上、社会通念上許されない行為であるとして違法である(殺人罪である)と考えます。 一方で結果無価値論では、殺人の一歩手前であったBの命は、もはや法律的に保護に値する利益ではないと考えます。(正当防衛の制度があることから、法律は自らが殺されることを我慢してまで相手の命を守ることまでは要求していません。もはやBの命は法律的には守られない命であると考えます。) その結果、偶然防衛の事例の場合、行為無価値論と結果無価値論では結論が異なることとなります。この例は行為無価値論と結果無価値論の対比を現す仮想事例としてよく取り上げられます。 判例・実際の裁判例は行為無価値論的と言われます。また、行為無価値論・結果無価値論という学者の議論も完全に対立しているものではなく、お互いの考え方を取り入れたり、考え方を修正したりしています。 その意味で刑法上の違法論は、統合されつつあるということができるかもしれません。 http://www.ashinari.com/category.php?blogid=2&category=33&page=5

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法の支配と憲法の存在意義

憲法という最高規範 憲法といえば、小学校、中学校で三大原理を暗記した(させられた)記憶が強い方が多いのではないでしょうか。 基本的人権の尊重、国民主権、平和主義の3つについては憲法の三大ルールとして記憶しなさいと言われた覚えがある方は多いのではないかと思います。 憲法とは一体何なのでしょうか。 憲法の意義についてはさまざまな角度から捉えることができますが、現実的な捉え方としては、最高法規であるという点です。 つまり、憲法はあらゆる国法(勅令、法律、政令、規則、準則、通達訓令等)の最上位にあるルールであり、憲法に違反する法律その他の国が定めるルールは無効です。(憲法第98条第1項) 近時、秘密保護法や公職選挙法に基づく選挙区割りが憲法に違反していないかということが議論されますが、憲法に違反しているのであれば、裁判所の判断で法律等が無効になり、その法律等のルールに基づいた処分も効力が否定される可能性があります。 平成25年中に参議院選挙の選挙無効などが一部で確定しましたが、無効になった場合には、どんなに莫大な費用と手間が掛かっても、一からやり直さなければなりません。 このように憲法は、それに違反する法令、処分などを一切無効とするという最高法規性が現実には大きな意味を持ちます。 法の支配と法原理機関の尊重 先の選挙無効の例(選挙区割りが憲法第14条の法の下の平等に違反するという事例)であれば、選挙が無効となれば、せっかく当選した議員は失職することになります。その議員を支援していた人もがっかりするでしょう。 その議員は特に悪いことをしたというわけではなくて、選挙区割りが悪かったというだけで、3年に1度しかない選挙での合格(当選)が無効になってしまうわけです。その議員の個人的な利益だけではなく、支持者の意思も無視するわけです。これは一見すれば民主主義への挑戦です。 また、選挙をやり直せば莫大な人件費、手間がかかり、政治・政策が停滞することもあり得るでしょう。そのような負担を裁判所は命じる権限があるということになります。 なぜ裁判所はそれほどまでに強い立場なのでしょうか。 それは、近代法の法の支配という考え方によります。法の支配は、理性的な法に従って国政は運営されるべきであるという理性尊重の考え方です。 上記の選挙の例であれば、一般的に考えてしまえば、わざわざ選挙人の意思をないがしろにし、税金と時間を大量に投入して再度選挙をするなどということは否定したくなってしまうのが当然ということができます。むしろその方が常識的とさえ言えるかもしれません。 しかし、それは「その場を見た人の感情的な意見」であると考えます。あらかじめ、多くの議論と理論的な研究をして発見した法に従った判断はその場における感情的・場当たり的判断に優先するというのが近代法の考え方です。 この考え方が真に正しいかどうかは誰にもわからないということができるでしょう。しかし、場当たり的な判断が国王の専横、身勝手を許してしまったという歴史から現在は 理性に基づく法の支配を尊重しているということができます。 そしてその法の支配の考え方を実際に体現する機関が裁判所です。裁判所は法の支配を実現するために、法に従いさえすれば、一見すれば「非常識」とも言える判断をできるということになります。 近代法の理念について、是とするか非とするか、最近の憲法に関する裁判を見て感じます。岡山などの一部の選挙区では選挙無効となるそうです。 カテゴリー・法律 (ライセンスURL ・http://www.ashinari.com/search/search.php?search=%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80 ・http://www.ashinari.com/category.php?blogid=2&category=6&page=1 )

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『女性のための情報コラム Woman's ⑫建物の周辺をチェックしよう』

このコラムでは、忙しい現代の女性を応援し、生活の情報をお届けしています。 お部屋探しをする時には、部屋の間取りや設備を重視することが多いものですが、 気に入ったお部屋が見つかったら、建物の周辺についても検討材料にしましょう。 今回は、お部屋を決める際に、どのような点に着目して判断をしたらいいのかお話します。 ■建物の周辺を見てから入居を決めよう■ 自分の条件に合った部屋が見つかると嬉しいものです。 年度末など引っ越しの多いシーズンだと、ほんの少し悩んだばかりに別の人が入居することになってしまうこともありますから、 満足のいく部屋が見つかればすぐにでも契約をすることも時には大切です。 しかし、部屋や建物の作りを見ただけで決めることには危険もあります。 建物の敷地内の防犯がしっかりしていても、家の中から出ずに生活するわけではありません。 仕事や学校、あるいは友達と遊ぶために家から出て、 夜になれば駅やバス停から家まで戻って来なければいけません。 ですから、駅やバス停から建物までの道のりも確認してから入居するかどうかを決めた方がいいのです。 ■建物の周辺は夜にも見てみよう■ どんな街の中にあるのかを確認する時には、明るい日中に見て回ることが多いものです。 実際に不動産屋さんと一緒に建物へ向かう時でも、昼間に動くことが多いです。 昼間は明るく、人通りも多くて活気のある商店街の近くに建物があれば、 周りの環境からしても安全そうに思えますよね。 しかし、時として、昼と夜では街の様子が全く違うこともあるのです。 日中に建物の周辺を歩いて回ることも大切ですが、夜、暗くなってからもう一度建物の周辺を歩くといいでしょう。 そうすれば、帰り道がどれくらい暗くなるのか、人通りがどれくらい少なくなるのかなどを知ることが出来ます。 毎日のように一人で歩かなければいけなくなる道のことは、入居する前から知っておいた方がいいです。 また、夜の建物の周辺を知ることで不安があるようならば、別の建物にした方がいいでしょう。 ■警察署やコンビニエンスストアの位置を知ろう■ 駅やバス停から自宅までの間の防犯対策として、知っておきたいのが、警察署の位置です。 家のすぐ近くに警察署がある場合は、それだけでも安心できますし、 どこにあるのかを覚えておけば、いざという時に役に立ちます。 また、居酒屋などが多い街や繁華街に住む場合は、きちんとパトロールが行われているのかどうかも知っておいた方がいいでしょう。 そして、防犯対策をする上で案外役に立つのがコンビニエンスストアです。 多くのお店は深夜には閉まってしまいますが、コンビニエンスストアは24時間営業のところがほとんどです。 コンビニエンスストアがどこにあるのかを覚えておけば、いざという時に逃げ込めるのです。 掲載画像提供サイトURL http://www.photo-ac.com/ http://www.ac-illust.com/

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『女性のための情報コラム Woman's ⑬防犯・防災対策』

このコラムでは、忙しい現代の女性を応援し、生活の情報をお届けしています。 気に入ったお部屋も見つかり、いよいよ一人暮らしを始めるとなると、 やらなければならないことがいくつかあります。 防犯・防災対策もその一つです。 今回は、防犯・防災対策についてお話します。 ■生活を始めたら、まずは防犯・防災対策をしよう■ 部屋が見つかり、引っ越しも済むと、これからの新生活に胸が高鳴りますよね。 「こんな部屋にしてみたい」「こんな家具を置いてみたい」など、自分好みに部屋をアレンジしたいと思われる方も多いでしょう。 これから生活をする部屋ですから、自分がくつろげるような空間にするのも素敵なことです。 しかし、一人暮らしは自由に生活できる反面、何かあった時でも自分で対処していかなければいけません。ですから、防犯や防災対策を行うことも大切です。それでは、どのようなことを行えばいいのでしょうか。 ■一人暮らしの防災対策■ 大震災が発生してから、世間的にも防災への意識が高まりました。 非常食も様々な種類が発売されており、ショッピングセンターなどへ行けば防災グッズのコーナーに沢山並んでいます。 非常時には、水や食料などが必要不可欠です。 一人暮らしの場合でも、水、非常食、懐中電灯、救急セットなどをまとめた非常持ち出し袋を作っておくようにしましょう。 そして、生理用品や替えの下着類も非常持ち出し袋に入れておくようにしましょう。 また、部屋の中でも防災対策が行えます。 例えば、背の高いタンスや食器棚、本棚などは地震の際に倒れる恐れがありますから、 あまり背の高いものは置かない方が安全ですし、その方が部屋の中の圧迫感が少ないです。どうしても背の高い棚などを置くならば突っ張り棒などを使って、棚が倒れないように設置しましょう。 ■一人暮らしの防犯対策■ 防災と同じく、気を付けたいのが防犯対策です。 鍵を閉めて家の中にいれば安全のように思えますが、実は狙われやすい場所があります。 それは郵便受けです。ドアに郵便受けがついている場合、その隙間から部屋の中をのぞかれることがあります。 それを防ぐためには、部屋の内側から郵便受けの部分に覆いをするようにしましょう。 また、郵便受けには個人情報が記載された郵便物などが入ります。 郵便物を溜めたままにしていると留守だと思われて空き巣に入られたり、郵便物を抜き取られ、個人情報を盗まれることもあります。 ですから、郵便受けには郵便物を溜めこまないようにしましょう。 そして、女性の一人暮らしは空き巣など不審者に狙われやすいので、女性が一人で暮らしているということを知られないように注意しなければいけません。 下着類を外に干さないようにしたり、部屋の中の様子が分からないようにレースのカーテンを取り付けるなどして工夫しましょう。 掲載画像提供サイトURL http://www.photo-ac.com/ http://www.ac-illust.com/

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